人狼戦記

人狼Online(https://zinro.net/ )の第7世代プレイヤーです。

海の日配役着想記(白ランオンと10a狩)

どこから話し始めたものか。今思い返すと海の日配役は色んな要素が絡まって思いついたもので、一見無関係に思えるような事柄も点と点が繋がっていくようにしながら、この配役の骨格を作っていると思っている。そこでひとつひとつの要素を挙げていくことでこの配役の意図をつまびらかにしたい。配役とルールの話だから村側と人狼側の対立軸で考えがちだが、さらに重要な軸は初心者と経験者の対立軸、荒らし対策の視点だ。

 

事の始まりは#人狼online要望

事の始まりは、人狼online管理人さんのツイートだった。

昔、人狼onlineサーバーの負荷が高まった影響か、まともにゲームができなったことがあった*1。皆が困っていたところ、管理人さんが整備をしてくださり、そのついでなのか、ユーザーが管理人さんに要望を伝えるハッシュタグができた。

当時の俺には「これができたらいい」と思っていたことがいくつもあり、ここぞとばかりにブレストくらいの感覚で要望を出した。当然全部採用されるとは思ってなかったし採用されたらラッキーくらいに思っていた*2んだが、ありがたいことにその中で採用されたものがこれ。

これを要望したのには訳があった。12a猫で初心者の人と一緒に人狼をやるとだいたいの初心者の人が役としての人狼が苦手*3と言っていて、本人の習熟度が足りないのは当然だとしても、これを少しは緩和するオプションがあってもいいんじゃないかと思ったからだ。

 

当時の風潮と提案理由

12a猫では今でも白ランオフだが、初日の占いで黒が出ると二日目の吊りで色見吊をされることが多く、人狼役の初心者からするとゲーム始まった途端に吊られて面白いわけがない。初心者がこれを回避しようにも、どんなに言葉を尽くしても進行としてあるものだから避けられず、二日目の夜には吊られてしまう。これを回避しようとするなら狼が騙ることことで少しは緩和されるがヤクザ進行をされては元も子もない。

また、占い師目線で見ても、初心者プレイヤーの様に見慣れないプレイヤーが入ってる場合、予想もできない動きをすることが多いから予め占っておこうとする動機が働きやすいだろうというのは想像しやすい。占えば黒が出ることも当然ある。さらには、参加者の中のベテランプレイヤーさん同士が仲良い場合、その人とプレイするのを長く楽しみたいという動機からあえて初日占いでは占わないという忖度が働くこともまったくないとは思わない*4

これを避けつつ人狼onlineでこれを解決しようとするなら白ランオン、つまり、占い師の初日の占い結果が白しか出ないようにするのが分かりやすい。対面人狼や他の人狼サーバーでも、初日犠牲者がおらずいきなり吊りから始まるルールも、初日犠牲者が出る夜に占い師が占ってないルールもある。この白ランオンは決して特殊なものではないのだ。仮に人狼onlineに導入されたにしても、初心者村でやる時は白ランオンでやればいいし、初級以上であれば白ランオフでやればいい。そんな難易度の調整に使えるのではないかと思ったのが提案の理由*5だ。

 

白ランオンの顛末

しかし、この提案は多くのベテランプレイヤーから袋叩きにあうことになる。「そんなクソオプションなんかいらない」、「そんなのが欲しいならそれがあるサーバーにいけばいい」「対面人狼やってろよ」「オンライン人狼と対面人狼とは別物」などなど。正確な表現は覚えていないし過去の発言を掘り出そうとも思わないが、それはそれは罵詈雑言。今より表現の自由謳歌されてた時代なのでもっと苛烈な表現*6を想像してもらっても大きくは外れないだろうと思う。

今思えば叩かれるのも無理はない。当時の人狼onlineの風潮は狼早吊り競争で、例えば12a猫の2-2であっても2日目に霊を決め打ちして、3日目以降は噛み位置と各プレイヤーの発言を精査しながら進行していくのも模索していた時期だった。この白ランオンの提案はその流れに完全に逆行していたし、白ランオンにすることでゲームが間延びするからだ。

ところが、予想に反して人狼onlineの管理人さんは白ランオンを採用してくださった。ベテランプレイヤーが立てる村で12a猫で白ランオンが標準のルールになることはなかったが、代わりに10a狩がメジャーな配役として育つことになった。人数が少ないことは狼早吊り競争の風潮とは合致してるし、狼の数が12a猫より少ない10a狩配役では初手黒が起こると究極的には3縄で1狼を吊ればいいことになり村必勝になってしまう。ここに白ランオンがうまくはまったんだろうと思う。

これは明言しておくが、「10a狩が育ったのは俺のおかげだろ!」などと言うつもりは微塵もない*7。10a狩がメジャーな配役になったのは、人狼onlineの管理人さんが白ランオンを採用してくれたこと、前述の短期決着がベテランプレイヤーの風潮に合っていたことは前提としても、村立てしてくれるRMさんのおかげ、必要とする参加人数が少ないことで時短になり少しは荒らしを排除することができること、などの色んな要素から流行ったのだろうと思う。

 

海の日配役の参加人数決定と白ランオン採用へ

この流れを受けて、海の日配役でも10人配役、白ランオンを採用することにした。人狼onlineの風潮の中でこの2つが相性がいいからだ。繰り返しにならるが、人数を減らすことでベテランプレイヤーさんの早吊り競争を阻害せず、初心者が初手黒を喰らうこともなく、荒らしに対しても多少は効果がある。

長々と書いたが、やっと海の日配役の話を出したところで今日のところは大団円。次はRCO文化と進行論の話をしようとかなと思う。

*1:人狼Online on Twitter: "900人近く接続していてサーバー負荷がギリギリなため、発言の表示上限をゲーム開始前100件、ゲーム中500件に変更しました。また接続上限の設定数を引き上げました。" / Twitter

*2:サイトー on Twitter: "俺が人狼Online要望を上奏文と思ってなかったのは事実。どちらかというとブレスト的な感覚で捉えていて、大舌戦にならない範囲での緩い、まぁまさにブレストなんだけどそういうのがあると楽しいなと思った。わざわざハッシュタグを管理人が用意したんだから一切変える気がないわけじゃないと思ったし。" / Twitter

*3:サイトー on Twitter: "配役によっては全然違うのもあるだろうけど、まぁ、初心者がやる配役なら12a猫かなと思っていているんだけど、だいたいの初心者さん達は狼陣営になるのが嫌いw もともと確率的に狼の勝率が悪いのもあるのかもしれない。" / Twitter

*4:仲良いからこそ盤面から消してやるというウケ狙いで占うこともあるとは思うが。

*5:本筋からズレるから割愛したが白ランオンは最終日にもつれ込みやすいという理由もある。

*6:ガ○ジ、チンパン、他にもなんかあったかなぁ。くだらねえから忘れちまったよ。

*7:どれだけ好意的に見たとしてもせいぜい遠因くらいにしかならない。